暮らしと環境・エネルギーの情報紙「燦」(サン)

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燦 2007年12月号

分散型エネルギーシステムの導入拡大を

□主な記事□
・コージェネレーションの概要と導入の現状
・インタビュー●日本コージェネレーションセンター 会長 平田賢氏/東京ガス エネルギー企画部マーケティンググループ マネージャー 南琢氏
・コージェネの導入事例●広島ガス廿日市工場
・Jパワー●中東の地域冷房事業に参画

コージェネレーションシンポジウム2007。パネルディスカッションでは「コージェネレーションのマクロ化の現状と課題」をテーマに議論が行われた

 コージェネレーションシステム(CGS)は燃料を使って発電するとともに、発生する排熱を冷暖房や給湯、蒸気などの形で有効活用するシステム。そのため、総合エネルギー効率が70〜80%と高く、エネルギー使用量を低減し、CO2の排出削減にも貢献することができる。特に天然ガスを燃料とするCGSについては、京都議定書目標達成計画の中で、2010年度までに約498万キロワットを導入することが見込まれており、これによるCO2排出削減効果は約1140万トンになるという。CGSはまた、系統電力と合わせて使用することで、万一停電や設備の故障などが発生しても電力と熱を確保できることや、電力のピーク需要の低減にも寄与できることから、その導入拡大が期待されている。

コージェネレーションの概要と導入の現状

 国内のコージェネレーションシステム(CGS)の導入量はここ数年、平均50万キロワット程度のペースで増加し、06年度末の累積導入量は前年に比べ5.2%増の879万キロワットに達した。ただし、ガスエンジンCGSは拡大傾向にあるものの原油価格の急な高騰で重油や灯油など石油製品を燃料とするディーゼルエンジンCGSが激減しており、これがコージェネ普及拡大に対する大きな課題となっている。

好調なガスエンジン
大型とマイクロに2極化

●CGS
 CGSと一口に言っても、様々な種類がある。基本的に大きく内燃機関式(内燃式)と蒸気タービン式(外燃式)に分けられるが、それ以外に燃料電池を利用したシステムもある。また内燃式に使われる原動機にはガスタービン(GT)・ガスエンジン(GE)・ディーゼルエンジン(DE)があり、用途や規模などにより使い分けられている。
 燃料電池についても、電解質の違いにより、すでに実用化されているリン酸型(PAFC)、実用化間近にある固体高分子型(PEFC)と溶融炭酸塩型(MCFC)、研究開発中の硫黄酸化物型(SOFC)の4種類がある。
●内燃式と外燃式
 内燃式は、原動機の排ガスに含まれる熱を、過給機(圧縮して密度を高めた空気を内燃機関の中に吹き込んで効率を上げる装置)を使って発電効率を向上させた後、温度の下がった排ガスの熱で蒸気を作ったり、冷暖房や給湯を行ったりするものだ。
 例えばガスエンジンなら約1800度Cの熱で発電を行った後、多段階で利用することにより、熱のエネルギーを使い尽くすことが出来る。
 これに対し、内燃式より古くから使われている蒸気タービン式は、ボイラーでせいぜい600度Cの蒸気で発電してから熱を使うので、排熱の利用に限界がある。したがって、CGSとしては内燃式の方が優れていると言える。
 現在、世界で最もCGSの導入量が多いのは米国だが、米国をはじめ諸外国は、蒸気タービン式の方が圧倒的に多い。これに対し、日本では内燃式が4割近くまで増え、世界一の普及率を誇っており、ここでもエネルギー有効活用に優れているのは日本だと言える。
●内燃式の種類
 内燃式の原動機のうち、GTは発電効率が20〜35%と低いものの、排熱温度が高く、蒸気利用など熱需要の多い産業用に適している。規模は25〜4万1千キロワット。総合効率は70〜84%になる。燃料はガス・灯油・A重油で、排熱は主に蒸気で回収する。
 DEは30〜47%と発電効率は高いが、環境性の問題から都市部以外で使われる傾向にある。規模は80〜1万5千キロワットで総合効率は60〜67%。灯油・A重油を燃料とし、排熱回収は主に温水で行う。
 これに対し、GEは発電効率・環境性とも両者の中間に位置しており、環境規制の厳しい都市部で導入が進んでいる。規模は1〜9千キロワット、発電効率は21〜45%で総合効率は65〜86%。ガスを燃料とし、排熱は主に温水で回収する。
 ちなみに、規模では50キロワット以下をマイクロコージェネ、5千キロワットを超えるものを大型、その間に位置するものを中小型と一般には呼んでいる。
●燃料電池
 燃料電池は水素と酸素を反応させて発電するもので、セル内部に抵抗があり熱が発生する。その冷却のために冷却水を使うが、それが温水として戻ってくるため、その熱が使えるわけだ。
 イオン交換膜を電解質とするPEFCは、出力が十数キロワット程度。家庭用コージェネや自動車用、携帯用として使われる。発電効率は35〜40%で常温〜90度Cで作動する。
 リン酸を電解質とするリン酸型は出力が200キロワット程度までで工業用・業務用CGSとして使われる。発電効率は35〜42%で作動温度は150〜200度Cだ。
 溶融炭酸塩を電解質とするMCFCは、出力が250〜2千キロワット。工業用CGSや大規模発電、分散電源として使用する。発電効率は45〜60%、作動温度は650〜700度C。
 SOFCの電解質はジルコニア系セラミクス。出力は1〜200キロワットで工業用CGSや大規模発電、分散電源として使われる。発電効率は45〜65%。作動温度は750〜1千度Cだ。
 燃料電池については、まだこれからの技術であり、現時点でCGSとして普及しているのは内燃式と外燃式だ。
●導入の現状
 CGSの累積導入量は06年度末で879万キロワットだが、その内訳は民生用が172万キロワット、産業用が707万キロワットで、産業用が8割を占めている。
 年度別では、まず導入件数・台数を見ると、民生用は95年からほぼ一貫して右肩上がりで増加し、04〜05年にピークに達した後、06年度は減少。産業用も01年度以降増加していたが、04年度をピークに減少に転じている。
 発電容量では、民生用はむしろ05年度がここ10年ほどで最も少なく、06年度は逆に増加、産業用は件数・台数とほぼ同じような推移を辿っている。
 産業用が02〜04年度に増加したのは、大型高効率GEが商品化されことや、3千キロワット以上の設備に対する国の導入支援制度があったこと、燃料価格が現在に比べ遥かに安かったこと―などが理由として挙げられる。
 特に03年から04年にかけて民生・産業を合わせて77万`hも増加。このように順調に市場が成長したことから、国の支援制度が05年に廃止されることになったが、その途端、燃料価格が高騰し、石油を燃料とするDEの導入が激減した。
 一方、天然ガスの価格も石油ほどではないものの、やはり上昇したことからGTやGEの導入量もピークに比べれば減ったが、それでも着実に導入が進んでおり、特にGEが好調である。
 そのため、燃料別の設置件数で見ると、都市ガス60%、LPG6%で、ガス体エネルギーによるコージェネが3分の2を占めるようになっている。発電容量でも都市ガス45%、LPG5%と半数を占め、かつては大半がDEだったコージェネ市場の様相が大きく変わった。
●GE
 GEが好調なのは、国内外の各メーカーが大型高効率製品を次々に商品化したためである。発電端効率はこれまで42〜43%程度(LHV)だったが、新しいものは48%程度にまで向上。大きさも9千キロワット程度のものまで開発されている。
 こうした製品は、熱需要がそれほどない自動車や電子機器などの産業用として使われているほか、民生用では地域冷暖房などで使われるようになっている。
 一方、マイクロCGSとして使われている小型GEの普及も進んでいる。民生用ではマイクロCGSが年間800台ほどが導入されており、ホテルや病院、レストラン、スポーツクラブなどで使われている。
 また、これまではエンジンの排熱温度が88度C程度なければ吸収式冷凍機が使えなかったが、83度C程度でも吸収式冷凍機が使えるシステムが開発されたことにより、コンビニのように冷房需要が主で、少しだけ温熱を使うようなところでも使われるようになっている。
 このようにGEの需要は大型とマイクロに2極化しているのが現状だ。
●GT
 一方、GTも着実に増えてきたが、しかし、06年度の国内導入量は前年度に比べ減少した。
 これは、中東も含め天然ガスを生産するアジア地域で需要が急増しているためで、メーカーが販路の主力をこちらにシフトしているため、国内の導入が減ったという。
 今後、国内のCGSの普及がどうなるかは、燃料価格の動向に負うところが大きいが、メーカーはこれまでメンテナンスのために行っていた遠隔監視を、ユーザーにとって最もメリットが出るような運転支援にも使えるシステム開発を行ったり、引き続き発電効率が高い製品を開発するなどの取り組みを行っており、燃料価格が下がれば、DEも含めてさらに普及が進むのではないかと見られている。

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燦 2007年11月号

首都圏の送電線建設の集大成
東京電力・西上武幹線

□主な記事□
・西上武幹線と工事の概要
・着実に進む建設工事
・工事事務所長インタビュー●東京電力工務部 送変電建設センター 中幹建替熊谷事務所長・小宮山茂樹氏/東京電力工務部 送変電建設センター 中幹建替高崎事務所長・野口良雄氏
・東京モーターショー開催

架線工事も着実に進み、3月には本体工事を終了する予定。西上武幹線は既設の27万5千ボルトのルートを活用して建設されるため、従来に比べスリムな鉄塔になっているのも特徴だ

 首都圏で使用している電気は、主に新潟・福島・茨城・千葉に集中している発電所から、関東一円の50万ボルト送電線を骨格とするネットワークを使って、東から西へ、北から南へと送られている。一方、高度情報化や快適な住環境作りの進展などを背景に、電力需要は緩やかながらも年々増加している。
 こうした事情を背景に、ネットワーク増強のため、東京電力が建設を進めているのが、50万ボルト送電線の「西上武(にしじょうぶ)幹線」だ。
 同社にとって全長が100キロを超える送電線の建設工事は、99年に竣工した「南いわき幹線」以来、久し振りの基幹送電線の建設工事であり、現時点での集大成と位置付けられている。

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燦 2007年10月号

高騰続ける原油価格

□主な記事□
・原油価格の動向と高騰の要因
・インタビュー●石油連盟 広報グループ長 浜林郁郎氏/岐阜聖徳学園大学 名誉教授 牛島俊明氏
・電力中央研究所●エネルギー未来技術フォーラム開催
・東京ガス●顧客件数が1000万件に

国内でもバイオ燃料の導入が始まり、石油連盟では4月27日から首都圏の50カ所の給油所で、ETBE(エチル・ターシャリー・ブチル・エーテル)の形でバイオエタノールを配合した「バイオガソリン」の試験販売を開始した

 ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場で、米国産標準油種(WTI)の価格が9月12日に1バレル80ドルを突破した。原油価格の高騰を受け、国内の石油元売り各社が石油製品の卸価格を10月から引き上げたため、ガソリンの小売値も上昇している。
 一方、地球温暖化防止への貢献という点から脚光を浴びたバイオ燃料の試験販売が始まったが、バイオ燃料の利用拡大は食料との競合により世界的に食料価格を上昇させるなど、様々な課題が生じるようになっており、国内でもすでに多くの食品で値上げが行われている。
 現在でも日本の一次エネルギーの半分近くを占め、国民生活に大きな影響を与える石油と石油業界の現状に注目した。

原油価格の動向と高騰の要因

 5年前までは1バレル20ドル台で推移していたWTIの原油価格は、03年のイラク戦争を始めとする供給不安や先物市場への投機資金の流入により上昇を続け、年平均で03年31ドル、04年41ドル、05年56ドル、06年66ドルと急騰。今年前半は60ドルで比較的安定していたものの、7月以降急激に上昇し、9月20日の終値で88.3ドル、取引中には一時84.1ドルという市場最高値を更新した。中国を始めとする発展途上国の石油需要の拡大、OPECの供給余力の低下、産油国の政情不安などいわゆる地政学的リスクの増加による供給不安―といったファンダメンタルズ(基礎的要件)に加え、ニューヨーク先物市場の拡大と投機資金の流入が原油価格を大きく変動させるようになっており、以前に比べ価格の推移を見通すことが難しくなっている。

米国の事情で大幅変動
前提に世界の需給逼迫が

●石油需要増と生産余力
 世界の石油需要は途上国を中心に急増しており、国際エネルギー機関(IEA)によると、06年に8450万バレル/日(bd)に増加し、06年までの3年間に526万bd増加した。
 これは年平均175万bd、年率では2.2%という大幅な増加だ。特に中国は最近3年間で年率5.6%という高い伸びになっている。一方、07年は前年比1.7%の8590万bd、来年は同2.4%増の8800万bdへ増加する見通しである。
 これに対し、供給面では原油生産余力の減少が顕著だ。非OPECは能力いっぱいで生産しているため、生産余力と言う場合はOPECのそれを指すが、OPECの生産余力もかつて多い時には1千万bd程度あったものの、02年には600万bd、03年には400万bdまで減少し、04年には200万bdを切って一時100万bd以下へ低下した。
 しかも、サウジアラビア以外のほとんどのOPEC諸国がほぼ能力いっぱいで生産しているため、生産が不安定なイラクの生産余力40万dbを除くと、サウジ1国に余力が集中しており、急激な需要増加に対応できなくなっているのが現状だ。
 原油生産余力が減少したのは、イラク戦争が直接のきっかけだが、その後、産油国が資源保護政策を強化したことが大きな理由である。資源ナショナリズムの高揚と高価格による石油収入の増加で資源保護政策が当面緩和されることはなさそうだ。
 また、OPECの原油生産能力は、今年の3400万bdから来年は3580万bdへ、180万bd程度増加すると予想されている。
●非OPECの生産能力
 一方、非OPECの生産能力は、最近では05年に109万bd、昨年は120万bdとかなり増加したが、今年は60万bd程度で生産能力の伸びが停滞している。
 これは、カザフスタンなどで資源保護政策が強化され、増産が遅れたたためである。来年は100万bd程度増加する予想であるが、非OPEC石油供給増加の停滞も供給不安要因になっている。
 もう一つ、供給面で不安要因となっているのが産油国における政情不安である。イラクでは依然として治安が回復しておらず、イランでは核開発をめぐり国際社会と緊張関係が続いている。またベネズエラやナイジェリアなどでも政情不安により原油生産が一時的に減少する事態が発生している。
 このように石油需要が増加する一方、供給面で様々な不安要因があることが原油価格の上昇要因になっている。
●米国の要因
 こうした石油市場条件下で原油価格を激しく高騰させているのが米国内の特殊要因で、その最たるものが、ニューヨークの先物市場の拡大だ。
 例えば、史上最高値を付けた9月20日の2日前の18日のNYMEXの原油先物の取引量は3億7700万バレルであるが、これは実に世界の1日の石油消費量の4.5倍に達する。
 こうした莫大な資金を呼び込む要因の一つが毎年繰り返されている、米国の精製能力不足による夏場のガソリン供給の不足だ。
 米国では80年代の第2次石油危機で原油が高騰して需要が大幅に減少したため非効率の製油所を廃止し、精製能力を大幅削減した。
 現在は再び石油需要が増加しており、米国エネルギー省の予測では今年1.5%とかなり高い伸びである。それにも関わらず、米国では精製能力がほとんど増加していない。
 その理由は、環境面での規制が厳しく、製油所を建設することが容易でないことや、下流部門は収益性が低く投資効率がよくないという理由で、大手石油企業が投資に消極的であるからだ。
 そのため、現在でも石油需要の84%程度の精製能力しかなく、夏場にガソリン需要が増えれば供給不足が見込まれ、価格を押し上げる要因となっている。
 次に、これも最近よく発生しているハリケーン被害への懸念がある。2年前の「カトリーナ」による被害は記憶に新しいところだが、今年もハリケーンによるメキシコ湾岸製油所の被害が懸念されて原油価格を押し上げた。結果的に重大な被害はなかったが、価格を高騰させる要因となった。
 さらに、今年の特殊要因としてはサブプライムローン問題がある。その影響で米国は不景気になるのではないかという見方が広がり、株や債券が不安定な動きをしていたことから、投機資金が商品市場に大量に流れ込み、最高値を更新させることになった。
 このように、現在は世界の石油需給よりも米国内の事情で世界の原油価格が大幅変動するという、経済理論では不合理な価格形成メカニズムが成立しているのが現状だ。
●今後の価格見通し
 それでは今後、原油価格はどうなるのだろうか。かつてのように20〜30ドル台に戻る可能性が低い一方、80ドル台が長期にわたって継続する可能性もまた大きくはなさそうだ。
 というのは、20〜30ドルの価格水準ではOPECの財政が厳しく、国内で政情不安要因を増やすことになるからだ。
 かつてはサウジアラビアのような国でもテロがあったが、現在、かなり安定しているように見えるのは、大量に流れ込んだオイルマネーが国の隅々まで行き渡ったことで、国民の不満が抑えられてきているためだと言われている。
 さらに、最近は掘削リグや生産資材の高騰で原油生産コストもかなり増加しており、原油価格をコスト面で底上げしている。
 一方、80ドル原油が長期化すれば石油需要が減る可能性がある上、カナダのオイルサンドなどの代替燃料の供給も増加するので、将来はともかく、当面はこれほどの高値が長期間継続する可能性は高くなさそうだ。
 そうなると、当面の原油価格はWTI原油で年間平均では60〜70ドル程度と見るのが妥当なようで、米国エネルギー情報局もWTI原油価格は昨年平均の66.02ドルから今年は67.61ドルへ、来年は71.02ドルへ上昇と予想している。

原油価格の3大指標
影響大きいWTI

 原油価格の指標としてはWTI原油の他に欧州産ブレント原油、中東産ドバイ原油がある。
 WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエイト)は、テキサス州などで産出される軽質油で硫黄分が少ないため、ガソリン・軽油・灯油などの製造に適している。
 生産量は日量100万バレルに満たず、米国内の6%、世界では1〜2%を占めているに過ぎないが、原油先物市場での取引量は06年平均で2億5千万バレルとなっており、世界の原油価格形成に強く影響する。そのためにNY先物市場の価格動向は世界経済にも大きな影響を与えている。
 NY市場で原油価格と言えばWTI価格を指すのが一般的だ。
 欧州での指標となるブレント原油は主に英国のブレント油田から産出される軽質油で、硫黄分が少ないため、やはりガソリンなどの製造に適しており、この価格に関連して欧州やアフリカ、中東の石油製品価格が設定される傾向がある。
 一方、ドバイ原油は日本の主要な原油輸入国であるアラブ首長国連邦のドバイで産出される中東軽質油だ。日量は40万バレル程度と生産量は少ないが、ほとんどがスポット市場で取引されるため、アジアにおける原油相場の指標となっている。
 これらの指標原油価格は価格差が変動するものの、ほぼ同じような傾向で推移している。

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燦 2007年9月号

活性化する太陽光発電市場

□主な記事□
・太陽光発電の現状・課題・展望
・インタビュー●太陽光発電協会 広報部会 副部会長 長藤佳夫氏/京都大学大学院 エネルギー科学研究科 客員教授 安藤晴彦氏
・太陽光発電の導入事例/長岡京市東第2浄水場/上尾市児童館こどもの城/京王聖蹟桜ケ丘ショッピングセンター/両備エネシス国富SS
・中部電力/CSR報告書2007を発行

京王聖蹟桜ケ丘ショッピングセンターのA館屋上の壁面に設置された太陽光発電パネル

 化石燃料に比べれば無尽蔵にあると言える太陽エネルギーを使い、発電の過程でCO2を排出しない太陽光発電は、地球温暖化を防止するための重要な技術である。日本では、これまで住宅用を中心に着実に導入が進み、2005年末で142万キロワットに達している。
 このため太陽光発電の導入量・太陽電池の生産量ともに長い間、世界一の座を占めてきたが、累積導入量では同年末にドイツに抜かれ、日本企業が上位を独占してきた太陽電池の生産に関しても、ドイツと中国のベンチャー企業が2位と4以に入るなど、太陽光発電を巡る環境は大きく変化している。そのような中で日本が今後も太陽光発電の分野をリードしていくためには、コスト低減につながる新型電池などの技術開発が不可欠だ。

太陽光発電の現状・課題・展望

 国が示した2010年度に482万キロワットという太陽光発電の導入目標の達成に向け、官民を挙げて普及拡大に努めることは重要だ。しかし、それ以上に重要なのは、これまで他国に先駆けて太陽光発電の導入を進め、世界をリードしてきた日本が、将来的にも主導的な立場を維持していくための取り組みを着実に進めていくことではないか。その鍵となるのは、やはり技術開発と言える。

新型電池の開発進む
非シリコン系で実用化も

■導入が急増
 日本の05年末の累積導入量は142万2千キロワット。これに対し、ドイツは142万9千キロワットで、日本は97年以来保ってきた導入量世界一の座をドイツに奪われた。06年末の数字はまだ明らかになっていないが、日本が170万キロワット程度であるのに対し、ドイツは300万キロワットに達したのではないかと見られている。
 ドイツは、太陽光発電などの再生可能エネルギーにより発電された電力の買い取りを、電力事業者に義務付けた再生可能エネルギー法を04年に改正し、買取保証額を大幅に引き上げた。さらに太陽光発電施設への低利融資と研究開発補助を合わせて実施したことにより急速に導入が拡大した。
 日本・ドイツ以外で導入量が多いのは米国で、この3国で世界の導入量の9割程度を占めている。また、それ以外の国々でも導入が進む傾向にあり、IEA/PVPS(国際エネルギー機関の太陽光発電システム研究プログラム)によれば、世界全体の累積導入量は、01年には100万キロワットに達していなかったが、03年に約183万キロワット、04年に約260万キロワット、05年には370万キロワットと急増している。
■国内メーカー
 こうした旺盛な需要増に対応するため、日本の各メーカーは生産設備の増強を図っている。
 世界シェア1位のシャープは、約30億円を投資して葛城工場(奈良県)の太陽電池セルの生産能力を3月から年産11万キロワット増やし、世界最大の71万キロワットに拡大。新たに建設する堺工場では、年産100万キロワット規模で薄膜太陽電池を製造する太陽電池工場を10年3月までに稼働させる計画だ。
 3位の京セラは供給不足が懸念される原料のシリコンを確保するとともに、セルを製造する滋賀八日市工場を2010年度に年産50万キロワットの生産体制とするため、今年度から毎年約50億円の設備投資を実施。これと並行して、日本・欧州・米国・中国のモジュール製造工場でも総額約100億円を投じ、10年度までに合計50万キロワットの太陽電池を出荷する体制を構築する計画を進めている。
 5位の三洋電機はセルを国内2カ所、モジュールを国内・国外の2カ所ずつ計4カ所で生産しているが、新たに滋賀工場内に約20億円を投資してモジュール製造工場を建設。同工場では今年度4万キロワット、来年度はさらに生産能力を拡大する予定だ。
 このように日本のメーカーが積極的に設備投資を行っている一方、それ以上に活発に投資を行っているのが世界のベンチャー企業だ。太陽電池の調査を行っている米国のPVニュースによると、かつては日本のメーカーが上位を独占していた太陽電池市場に、06年末には2位にドイツのQセルズ、4位に中国のサンテックが進出。こうしたことから、04年には5割程度を占めていた日本のシェアは、06年に4割以下にまで低減している。
■NEFの提言
 ドイツでは国の補助制度により導入が進んでいるが、日本では普及拡大に貢献してきた住宅用太陽光発電の設置補助制度が05年度で終了したこともあって、普及が鈍化している。
 例えば、上述のようなメーカーの生産設備の増強とは対称的に、太陽光発電協会の調べでは、これまで右肩上がりで伸びてきた日本メーカーの太陽電池の出荷数量が、06年度は94年に住宅用の設置補助制度が導入して以来、初めて前年度に比べて僅かだが減少した。輸出は相変わらず伸びているのに対し、国内出荷が減少したためだ。
 現在、国の主な補助事業としては、産業用分野や公共施設などに10キロワット以上のシステムを設置する場合、事業費の2分の1を補助する「太陽光発電新技術等フィールドテスト事業」があるが、こうした補助事業に頼っているだけでは、2010年度に482万キロワットという導入目標の達成は覚束ない。
 そこで、新エネルギー財団(NEF)では、今年3月に「太陽エネルギーの普及促進に関する提言」をまとめ、グリーン電力制度の活用や公共施設・集合住宅などで普及を促進することなどにより導入を拡大することを提案している。
■新型電池の開発
 このような短期的な目標達成に向けての取り組みもさることながら、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の太陽光発電ロードマップ(PV2030)で示された2030年までの累積導入量1億キロワットという目標の達成、あるいは日本が将来的にも太陽光発電で世界をリードしていくためには、コストを低減するための新しい型の太陽電池の開発や、大規模導入しても電力系統に影響を与えないような技術の開発が必要だ。
 このうち、新型太陽電池として期待されているのが、シリコンを使わないCIS系や色素増感型、量子ドット型などである。
 CIS系は銅やインジウム、セレンなどを材料とする太陽電池で、使う材料によりCIGS、CIGSSなどとも呼ばれている。変換効率が高く薄膜で、安価な基盤の上に作れることなどから、低コストでの量産化が可能だ。
 すでに実用化の段階にあり、日本でも昭和シェル石油が宮崎市に年産2万キロワットを製造するCIS太陽電池の工場を昨年10月に建設。同工場の本格生産の開始を受け、今年度中に年産6万キロワットの能力を持つ第2工場を宮崎県内に建設することになった。
 また本田技研工業の子会社であるホンダソルテックも、CIGS(銅―インジウム―ガリウム―セレン)太陽電池で、年産2万7500キロワット規模の工場を熊本に建設し、今秋から全国で販売を開始する。
 これに対し、色素増感型は実用化に向けた開発が行われているところで、量子ドット型は研究の段階だ。
 色素増感型はヨウ素溶液を使う電気化学的なセル構造を持った太陽電池。材料が安価で製造に大掛かりな設備を必要としないことから低コストでの生産が期待できる。
 この太陽電池の基本特許と重要特許は開発者であるローザンヌ工科大学のグレッツェル教授が持っているが、来年4月に特許権が消滅するので、その後の動向が注目される。
 量子ドット型は量子効果を用いたもので、他の太陽電池の理論限界効率が30%程度なのに対し、60%以上になることから、研究が進められている。ちなみに、この電池の研究で世界をリードしているのは筑波大学の岡田至崇准教授だ。
■系統連系対策
 系統への影響を与えない技術としては、系統側で電圧を適正化するループバランスコントローラー(LBC)などの研究が、需要側では蓄電池などと組み合わせて地域単位で需給を調整するマイクログリッドなどの研究が行われている。
 さらに、NEDOは1千キロワット級の太陽電池の大量導入、いわゆるメガワットソーラーの導入を目指した「大規模電力供給用太陽光発電系統安定化等実証研究」を、昨年度から開始した。
 同研究の委託先の一つである稚内市におけるプロジェクトでは、北海道電力が中心となって5千キロワット程度のシステムを設置し、蓄電池などによる太陽光発電出力の安定化などの有効性を検証するとともに、電圧変動抑制効果の実系統での検証を行う。
 もう一つの山梨県北杜市でNTTファシリティーズなどが行う実証研究では、先進的太陽電池を中心に、様々なタイプの太陽電池モジュールにより2千キロワット規模のシステムを構築し、運用評価を行うほか、系統安定化制御が可能な大型パワーコンディショナーの開発などを行うことになっている。

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燦 2007年8月号

ヒートアイランド緩和へ

□主な記事□
・ヒートアイランド対策の概要
・インタビュー●早稲田大学 建築学科 教授 尾島俊雄氏/東京都 都市地球環境部 計画調整課長 谷上裕氏
・東京都/ヒートアイランド対策の効果を実証
・九州電力/CSR報告書を発行

東京・丸の内にあるドライミスト装置。人工的に微細な霧を発生させ、その気化熱により周辺の気温を下げる。

 地球温暖化による気温の上昇が約0.6度Cなのに対して、東京の都心部の上昇は約3度C。温暖化の数倍のスピードで進み、人体への影響を含め、様々な問題の原因とされているのが、都市のヒートアイランド(高温化)現象だ。
 具体的には、熱中症の発生や熱帯夜による不快さの増大、さらには冷房による電力需要の増加など、その影響は多岐にわたり、局地的な集中豪雨や光化学オキシダントの発生とも関連性が指摘されている。
 こうした問題を受け、2003年に東京都が「ヒートアイランドの取り組み方針」を打ち出し、続けて04年には国が「ヒートアイランド対策大綱」を策定。緑化や保水性舗装など対策を進めている。  都心のヒートアイランド現象とその対策を探った。

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燦 2007年7月号

蓄熱月間特集

CO2排出削減の切り札

□主な記事□
・なぜヒートポンプ蓄熱システムなのか
・対談●東京電力 執行役員 片倉百樹氏/東京大学大学院 教授 坂本雄三氏
・ヒートポンプ蓄熱システムの導入事例
・中部電力●新経営目標の達成へ―積極的に販売活動を展開

高効率ヒートポンプ(ターボ冷凍機)と氷蓄熱システムが採用されているダイヤモンドシティ・ミュー。

 資源エネルギー庁がまとめた05年度エネルギー需給実績によれば、同年度の最終エネルギー消費は産業部門と運輸部門は前年度に比べて減少したものの、民生部門は相変わらず増加しており、それがCO2排出増につながっている。そのため、安倍晋三首相は、この分野におけるCO2排出を減らすため「1人1日1キログラム」を減らすよう家庭や職場に努力を呼びかけることになった。
 こうした努力もさることながら、より効果的にCO2排出削減に貢献できるシステムがある。それはヒートポンプと蓄熱を組み合わせたシステムだ。蓄熱月間を機に、民生用エネルギー消費削減の切り札として期待される同システムに改めて注目した。

なぜヒートポンプ蓄熱システムなのか

 ヒートポンプ・蓄熱センターがこのほど行った、ヒートポンプによる1人1日当たりのCO2削減効果の試算によれば、ヒートポンプを家庭の暖房と給湯に利用すると、1.2キログラムのCO2ダイエットが可能だという。したがってヒートポンプを普及させることが、安倍首相が「美しい星50」で提唱した「『1人1日1キログラム』の温室効果ガスの削減」を実現する現実的な手段だと言える。

CO2排出大幅に抑制
1人1日1.8キログラムも可能

■CO2削減効果
 安倍首相の提唱は5月24日に開催された、第13回国際交流会議「アジアの未来」の晩餐会での地球温暖化対策に関する演説の中で表明された。
 1人が1日1キログラムのCO2ダイエットを行えば、2010年までの家庭部門での削減目標の約3800万トン/年を上回る約4800万トン/年が可能になる、というものだ。
 そのためのライフスタイルの見直しとして、冷房28度C、暖房20度Cに設定することや、シャワーを1日1分減らすこと、1日5分間のアイドリングストップを行うこと―などが挙げられている。
 こうした取り組みが重要なのは言うまでもないが、実際にどれぐらいの国民が実施するかとなると、心もとない面があるのは否めないところだ。
 そこで求められるのが、CO2排出削減効果のある製品の普及である。
 美しい星50の中でも、エアコンや冷蔵庫などの家電品で、省エネタイプのエコ製品を選んで購入することを勧めており、こうした製品を使うことにより、例えば冷房エアコンでは1人1日104グラム、冷蔵庫は132グラム、照明については45グラムのCO2ダイエットが図れるとしている。
 しかし、それ以上に効果が大きいのが暖房と給湯におけるヒートポンプ製品の導入だ。
 ヒートポンプ・蓄熱センターの試算では、暖房を燃焼式暖房機器からヒートポンプ式高効率エアコンに替えることで1人1日650グラム、給湯を燃焼式給湯器からヒートポンプ給湯機(エコキュート)へ替えることで同510グラム削減できる。
 このため、安倍首相が提唱するライフスタイルの見直しと、家庭の暖房と給湯にヒートポンプを導入することで、1人1日1.8キログラムのCO2ダイエットが可能になる、と同センターでは指摘している。
■ヒートポンプ
 それでは、ヒートポンプとは何か。同センターの「ヒートポンプWeb講座」によれば、ヒートポンプとは「温度の高いところと低いところを作って、必要な熱を取り出す装置」のことだ。
 具体的には、(1)気体を圧縮させると温度が上がり、膨張させると温度が下がる(2)温度差のあるものが接触すると熱が移動する―という二つの原理を利用して、装置の中の冷媒が圧縮・膨張する過程で大気から熱を取り込み、それを活用するものだ。
 しかも、電気をヒーターのように熱エネルギーとして使うのではなく、熱を移動させる動力源として使うため、エネルギー消費効率=COPが3(投入した1のエネルギーに対して3倍のエネルギーが取り出せるという意味)程度となり、省エネ・省CO2になるわけだ。
 ヒートポンプを利用したエコキュートは、夜間に湯を沸かすため、放熱ロスが大きいのではないかとの見方もあったが、最近は性能を裏付ける調査結果が次々に報告されるようになっている。
 例えばエコキュートについて、家庭のエネルギー需要調査などで知られる住環境計画研究所が、04年11月から05年10月に関東・東海・近畿の戸建て住宅6世帯を対象に実施した調査では、年間平均の実働COPが3.4〜3.8、実働機器効率については2.92〜3.22を確認している。
 また東京電力・関西電力・中部電力の3社が関東・関西・中部・中国の戸建て住宅36世帯を対象に、7〜12カ月の連続計測を行った調査でも、年間実働機器効率は2.73〜3.93となり、単純平均で3.16であることが確認されている。
■蓄熱システム
 ヒートポンプをさらに有効活用するのが蓄熱システムだ。というのは、夜間にヒートポンプで全負荷運転を行って温水や冷水、氷を作り、それを給湯や空調に使えば、ヒートポンプの性能をフルに発揮できるからだ。
 エコキュートはヒートポンプと貯湯槽が組み合わせたシステムであり、夜間電力で湯を沸かして貯めておくことから、それ自体がヒートポンプ・蓄熱システムである。
 また空調についても、ヒートポンプと蓄熱槽がパッケージ化されている製品があるが、ある程度の規模の建物の場合は、蓄熱槽をヒートポンプとは別に設置、あるいは建設する必要がある。
 こうした蓄熱槽としては水蓄熱と氷蓄熱の二つがあり、水蓄熱は主に高層ビルや大型ホテルなどの大規模な建物で使用、氷蓄熱は診療所や事務所などの小規模な建物からショッピングセンターなどの大規模な建物まで幅広く使われている。
 水蓄熱の蓄熱槽は通常、大規模な建物の空きスペースとなっている地下の二重スラブを有効活用して造られ、蓄熱槽の水を火災時の消防用水や災害時の生活用水に利用できるのが特長だ。
 一方、氷蓄熱は建物の規模に幅広く対応するため、蓄熱層を現場で構築する現場築造タイプや、ヒートポンプとユニット化して屋上設置を可能にしたユニットタイプなど、様々なタイプが開発・使用されている。

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燦 2007年6月号

3Rを推進し循環型社会の構築を

□主な記事□
・廃棄物処理と3Rの現状
・循環型社会に向けた取り組み
・関西電力/マングローブの生長予測システムなど開発
・東京電力/TEPCO環境月間を推進

環境月間の主要行事である「エコライフ・フェア2007」では、地球温暖化防止や紙パックの回収・リサイクルなどが呼び掛けられた。

 今や家庭ごみの分別収集は当たり前のこととなり、家電製品や自動車など、様々な製品がリサイクルを考慮して造られているのは周知の通りだ。  また、今年4月には容器包装リサイクル法が改正され、すべての小売業者に容器包装の使用合理化のための取り組みが義務付けられるようになった。
 このように、持続可能な社会に向けて、多様な取り組みが行われるようになっているが、日本でどのように廃棄物の削減やリサイクルが行われているかとなると、なかなかその全体像がつかめないのが実情ではないか。
 そこで、環境月間である6月に3R(Reduce=発生抑制、Reuse=再使用、Recycle=再利用)の現状を探ることにした。

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燦 2007年5月号

東京電力

高効率化に挑む川崎火力

□主な記事□
・LNG火力の特長と変換
・インタビュー「東京電力の取り組み」/燃料部LNG第二グループマネージャー 部長 石井哲男氏、川崎火力発電所 川崎火力建設所 所長 小林隆氏
・川崎火力・リプレースで世界最高効率に
・長期エネルギー需給見通し改定へ

川崎火力発電所1号系列の初軸となる第3軸(50万キロワット)。後方にあるのは旧川崎火力。

 当初は大気汚染の原因となる亜硫酸ガスの排出抑制対策として、37年前に世界で初めて東京電力に導入されたLNG火力発電。現在は石油や石炭に比べてCO2排出量の少ない発電設備として地球温暖化対策の面で、また世界的にエネルギー需要が急増する中でエネルギーセキュリティ確保の面でも、重要な電源となっている。しかも、LNG火力の歴史はそのまま高効率化の歴史であったと言えるほど、この37年間に熱効率が向上しており、現在、試運転が行われている川崎火力発電所ではLHV(低位発熱量)基準で59%という高効率を達成している。
 そこで、LNG火力の意義と高効率化の歴史を改めて振り返るとともに、リニューアルにより世界最高効率の火力発電所に生れ変わった川崎火力に注目した。

LNG火力の特長と変換

 天然ガスはメタンを主成分とする高カロリーの可燃性ガスだ。もともと不純物をほとんど含まない上に、液化天然ガス(LNG)にする過程で、塵や硫黄分などを取り除くため、他の化石燃料に比べ地球環境・大気汚染の両面でクリーンなエネルギー源となっている。しかもLNG火力の熱効率は、様々な技術開発によって当初の約41〜43%(LHV=低位発熱量基準、以下同)から、試運転中の東京電力・川崎火力発電所では約59%まで向上しており、資源の節約やCO2排出量低減などにも寄与している。

汽力からMACCへ
熱効率が大幅に向上

●天然ガス
 天然ガスには構造性ガス・水溶性ガス・石油随伴ガス・炭層ガスなど、様々な種類がある。
 構造性ガスは地球誕生と同時にガスが封じ込められたと考えられており、地殻内にガスの状態で蓄えられている。ガス単体で産出されるか、少量の軽質油(コンデンセート)とともに産出される。
 それ以外のガスは水・原油・石炭に溶け込んでいたり吸着していたりするもので、原油や石炭などとともに噴出・産出し、ガスの部分を分離して使用する。
 天然ガスの主成分はメタンだが、エタンやプロパン、ブタンなども含まれており、その割合は産地によって異なっている。
 06年のBP統計によれば、天然ガスの確認可採埋蔵量は05年末で約180兆立方b。可採年数は約65年である。国別に見るとロシアが約48兆立方bで圧倒的に多く、イラン(約27兆立方b)、カタール(約26兆立方b)など中東の産油国が上位を占めている。
 一方、消費量は米国が約6335億立方bで最も多く、次いでロシア(約4051立方b)、英国(約946億立方b)、カナダ(約914億立方b)となっている。日本は約811億立方bで7番目だ。
 消費量で上位に位置する国はパイプラインでの供給が中心であるのに対し、日本はほとんどがLNGで、現在9カ国から受け入れており、電気事業連合会や資源エネルギー庁によれば、その約3分の2が電力の発電燃料として使用されている。
●LNG
 LNGは天然ガスをマイナス162度Cで液化したもの。気体に比べ体積が約600分の1になることから、大量輸送が可能になった。採掘したガスは液化基地に運び、そこで硫黄分や水分、CO2などを除去した後、冷却する。
 これらの不純物は、天然ガスを液化して貯蔵・輸送する際に障害となることから除去するのだが、その結果として、よりクリーンなガスになるわけだ。
 液化したガスはLNG船で運び、受入基地で気体に戻す。気化器にはいくつか種類があるが、LNG受入基地は海に面しているため、海水を使って熱交換を行うオープンラック式が一般的だ。LNG火力では、この気化した天然ガスを燃料として発電を行う。
●LNG火力
 LNG火力の特徴は、他の化石燃料に比べCO2排出量が少ないほか、建設コストが石炭火力より安く、燃料コストが石油火力より安いことだ。
 また原子力に比べ電力需要の変動に対応しやすいことから、ミドル供給力の電源として使われている。
 LNG火力を最初に採用したのは、東京電力の南横浜火力発電所1・2号機(横浜市、各35万`h)で、1970年のことだ。
 同発電所で採用したのはLNGを気化させたガスをボイラーで燃焼させて蒸気をつくる通常の汽力発電方式である。この方式で熱効率を追求するには水蒸気を高温高圧にすることが必要だが、ボイラー各部の肉厚増大などの制約にともなう技術的・経済的問題から、当時の考えでは熱効率は45%程度が限界とされていた。
 そこで導入されたのがコンバインドサイクル(CC)発電方式だ。ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせたCC発電では、ガスタービンの排ガスを排熱回収ボイラーに導き、発生させた蒸気を使って蒸気タービンを回すことにより、約47%の熱効率を達成した。
 CC発電には一軸型と多軸型があり、一軸型はガスタービン・蒸気タービン・発電機を、それぞれ1台ずつ1つの軸で直結させてユニットをつくり、いくつかのユニットで1系列を構成。これに対し多軸型では、複数のガスタービン発電機を1台の蒸気タービン発電機と組み合わせて1系列を構成する。
 定格負荷時の熱効率では多軸型が若干上回るが、一軸型は比較的小容量機の組み合わせで1系列を構成するため、部分負荷時の熱効率が高く、ユニットのより迅速な運転停止や再起動が容易なことから、電力需要の変動への素早い対応が可能だ。
 日本で初めて大規模な事業用発電設備として多軸型のCC発電を採用したのは東北電力・東新潟火力発電所の3号系列。109万キロワットの半量が84年に、残りの半量も85年に営業運転を開始した。一方、大規模な事業用発電設備として一軸型のCC発電を初めて採用したのは東京電力の富津火力発電所1・2号系列(各100万キロワット)であり、86年と88年に運開している。
●効率向上へ
 CC発電のガスタービン入口ガス温度は約1100度Cだが、それを約1300度Cにまで向上したのがAdvanced CC(ACC)発電で、東電では横浜火力7・8号系列(各140万`h、96〜98年に運開)に初めて採用した。
 燃焼温度を上昇させれば熱効率は向上するが、それに比例してNOx濃度も増える。その課題を解決するため、同発電所で採用したのが、東電がGE社と共同開発した低NOx型の予混合燃焼器。あらかじめ空気と燃料を混合することで低NOx化を図り、約54〜55%の熱効率を実現した。
 これをさらに改良するなどして、ガスタービン入口ガス温度を約1500度C級まで高め、熱効率を約59%まで向上させたのがMore Advanced CC(MACC)発電である。
 MACCを03年に世界で初めて採用したのは英国のバグラン・ベイ発電所(48万キロワット)。発電設備は同発電所に出資もしているGE社製が使われている。
 一方、世界で2番目となるのが東電の川崎火力1号系列(150万キロワット)で、三菱重工業製のMACCを採用。昨年12月から試運転を開始し、今年7月に営業運転を開始する予定だ。
 東電では、さらに富津火力でもGE社製のMACCを採用した4号系列(152万キロワット)を建設中で、こちらは来年、営業運転を開始することになっている。
 今のところMACCが火力発電では最も熱効率が高いが、メーカーでは、さらに高効率の発電設備の開発も検討しているという。そのポイントとなるのが燃焼方式と冷却技術の改良、耐熱材料の開発。これによりガスタービン入口ガス温度は約1700度C、熱効率は60%を超える見込みだ。

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燦 2007年4月号

正念場迎えた風力発電

□主な記事□
・風力発電の現状と課題
・インタビュー「一層の導入拡大へ」/足利工業大学 副学長 牛山泉氏、ユーラスエナジーホールディングス 常務取締役 中村正人氏
・拡大する風力発電事業
・インタビュー「原子力の信頼構築へ」/科学技術ジャーナリスト 尾崎正直氏

4月1日から売電を始めた「横浜市風力発電所」。みなとみらい地区などから見ることができる。

 風力発電は地球温暖化防止に貢献する新エネルギーとして普及が期待されており、2001年6月に示された長期エネルギー需給見通しで、10年度の累積導入量を300万`hとする目標が掲げられている。
 そのため、わが国でもここ数年で普及が急増してはいるものの、05年度末における導入量は約108万キロワットで、このままでは目標数値の達成は難しいのではないか、という見方が広がっている。
 その背景には、風力発電に適した土地が少なくなっていることがある。また導入の拡大に伴い、景観問題やバードストライク(野鳥の衝突事故)といった問題が提起されるようになっており、日本における風力発電の普及は正念場を迎えていると言えるだろう。

風力発電の現状と課題

 日本における風力発電の累積導入量は、96年度にはわずか1万4千キロワットにすぎなかったものが、90年代の終わりごろから急増し、05年度は108万キロワットまで拡大した。建設中のものを含めると、06年度末には140万キロワットを超えたと見られている。ただ、普及が進むにつれ、景観やバードストライクなど、当初予想もしなかったような問題が生じるようになっている。さらに今後、順調に拡大していったとしても、陸上だけでは限界がある。すでに欧州ではオフショア(洋上)風力の導入が始まっていることから、日本の地理や気象条件に合った洋上風力の開発と導入を、本格的に検討すべき時期にきていると言える。

普及進み新たな課題
環境保全対策とりまとめへ

●導入支援
 日本で風力発電の導入が進んだのは、電力会社が風車により発電した電力を購入するようになったことと、国の導入支援制度が設けられたためだ。
 電力会社による買取制度は、92年の余剰電力購入メニューで始まり、98年の事業用風力の長期購入メニューの導入で大規模風力発電所を建設する環境が整った。これらは電力会社が風力からの電力を自主的に購入するものだが、03年に施行されたRPS法では、事業者に一定割合で再生可能エネルギーからの電力購入を義務付けている。
 RPS法については、総合資源エネルギー調査会の新エネルギー部会で見直しが行われ、3月16日の会合で同部会のRPS法小委員会がまとめた報告書を了承。14年度までの導入目標量を160億`h時とすることになった。
 一方、国の導入支援制度は95年の風力開発フィールドテスト事業、97年の地域新エネルギー導入促進事業と新エネルギー事業者支援対策事業、00年の風力発電フィールドテスト事業(風力開発フィールドテスト事業から移行)により、設置補助が行われた。
 これらの導入支援により、累積導入量は90年度に1千キロワットしかなかったものが、93年度3万3千キロワット、96年度6万6千キロワット、99年度19万8千キロワット、02年度57万6千キロワット、05年度108万キロワットと急増した。
●課題
 導入の拡大に伴って、上述のように系統連系対策や景観・バードストライクなど新たな課題が生じるようになっている。
 系統連系については、総合エネ調の風力発電系統連系対策小委員会が05年6月にまとめた中間報告で、解列や蓄電池の導入、発電電力量予想システムの開発などの対策が示された。
 このうち、風力の変動する電力から系統を保護するため一時的に送電を停止する解列と、蓄電池については、北海道電力と東北電力がそれぞれの対策を条件とする風力発電の募集を実施するなど、具体化されるようになってはいる。
 ただ系統連系対策については、まだ十分とは言えないことから、RPS小委員会の報告書では、系統連系対策小委員会を早期に再開して議論を行うことが望ましいとしている。
 景観・バードストライクに関しては、国立・国定公園内に風車を設置する場合のみ環境省が示した「基本的考え方」があるが、それ以外は、各自治体が環境影響評価やガイドラインを設定して個々に検討・規制を行っているのが現状だ。
 特にバードストライクについては、日本野鳥の会のまとめによると、02年以降に偶然見つかったものだけで、国内13の発電所で24羽の事故が記録されている。このため、同会では個別のケースで計画の見直しなどの要望書を提出しているほか、環境影響評価の改善を求めている。
 こうした状況に対し、環境省と資源エネルギー庁は合同で「風力発電施設と自然環境保全に関する研究会」を発足させ、検討を開始。今年6月までに風力発電と野生生物保護や景観保全との両立を図るための対策などをまとめる方針だ。
 また今年1月にユーラスエナジーホールディングスの「岩屋ウインドファーム」(1300キロワット×25基)で、風車1基が過回転により基礎部から転倒する事故があった。
 これは基礎の設計や施工を原因とするものではなかったが、これまで土木の分野では長大橋や超高層ビルなど、靜的な建造物については設計指針はあったものの、風車のような動的な構造物に関する指針はなかったことから、土木学会では現在「風力発電設備支持物構造設計指針」をまとめている。
●日本型風車
 現在、日本で使われている事業用風車の4分の3が欧州製である。しかし、欧州製風車は偏西風と平らな地形による安定した風を想定して設計したもので、日本のように台風による強風や落雷、複雑な地形により絶えず向きや強さが変化する風に合っているとは言えなかった。
 例えば、04年度にNEDOの風力発電設備利用率向上委員会が調べた全国139件の故障・事故のうち21件が台風、13件が雷によるものだった。
 そのため、最近は欧州製風車も日本の自然条件に合うよう改良されるようになってはいるが、やはり日本の自然に合った風車の開発が必要だ。
 NEDOは現在「日本型風力発電ガイドライン」を策定中だが、それを先取りする形で開発を行っているのが三菱重工業と富士重工業だ。
 三菱重工の2400キロワット機は低風速域での高効率発電を実現する一方、強風を受け流す独自技術の採用により、風速毎秒70メートルという猛烈な台風にも耐える設計となっている。
 同社ではこの風車の本体(発電機などが入ったナセル)に、米国製の羽根とタワーを組み合わせた風車42基を米国の電力会社から受注。08年12月末までに運転を開始する予定だ。
 一方、富士重工の2千キロワット機は、ローター(羽根や軸から成る回転部分)をタワーの風下に配置したダウンウインド方式の採用や、主要構造部分の荷重の軽減、国際規格を超える耐雷仕様とすることで、地形・台風・雷という日本特有の課題を解決した新しい概念の風車である。
 さらにナセルを分解・輸送・組み立て可能な設計にしたことなどにより、これまで1千キロワット以上は困難だった山岳地に2千キロワット風車の建設を可能にした。
 この風車についても外国から問い合わせが寄せられているとのことで、厳しい環境に対応した日本型風車が海外からも評価されるようになっていると言えそうだ。
●洋上風力
 こうした風車が今後、国内に普及していくとしても、陸上設置には自ずと限界があるため、一層導入を拡大していくためには、将来的には洋上設置が必要になる。実際、欧州では洋上での本格的な設置が始まっており、世界一の風力発電導入国であるドイツでは、洋上に5千万`hぐらいを建設する方針だという。
 ただ欧州の遠浅の海に比べ、日本はすぐに水深が深くなり、しかも台風による強風があることから、洋上でも日本に合った風車の開発が求められる。
 そこで、現在、検討が始まっているのが垂直軸型風車である。日本で本格的に洋上風力を導入するとすれば、上述のような自然条件から、海底にタワーを固定するのではなく、海に浮かぶフローティングタイプ(浮体型)の風車が有力だ。
 その場合、現在、使われているプロペラ風車は100b近くあるタワーの上に何十dもの増速機や発電機などを着けているため不安定になるのに対し、垂直軸風車は対称型で重量物が下にあるので、浮体型に適しているというわけだ。
 足利工業大学の牛山泉・副学長によれば、浮体の技術は「海底油田のリグなどの技術が転用できるものがたくさんあるので、今までの延長上で出来る。まったく新しい技術が必要ということはない」とのこと。
 さらには、RPS法の見直しの中で太陽光発電の推進の理由の一つとして、産業政策の観点が挙げられているが、こうした浮体型の洋上風力が実用化されれば、国際競争の中で厳しい状況に置かれている日本の造船業界にとってもメリットがあることから、このような面からも浮体型の洋上風力の開発は意義あることだと言えるだろう。

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燦 2007年3月号

導入進む高効率電化システム

□主な記事□
・インタビュー/東京電力・執行役員/片倉百樹氏
・電化システムの導入事例/ダイヤモンドシティ・ミュー、タクボエンジニアリング・東金テクニカルセンター、伊藤鋳造
・東京電力/「地域とともに 原子力発電所の人たち-3-福島第二」
・九州電力/オール電化キャンペーンで目標達成

タクボエンジニアリングシステムが導入した高効率ヒートポンプ冷凍機。同社のCO2排出削減に大きく貢献している

 どちからといえば家庭用というイメージが強かった電化システムだが、最近は業務用や産業用の施設でも設備を電化する施設が増えている。
 その背景には、効率の良い様々な電化機器・システムが開発されていることに加え、電化のメリットが広く知られるようになっていることがある。
 そこで電気記念日を機に改めて電化のメリットに注目するとともに、普及の現状や、現在、積極的な普及策を展開している東京電力の取り組み、導入事例などを紹介することにした。
 …………………………
 電気記念日(3月25日)…1878年(明治11年)のこの日、東京・虎ノ門にあった工部大学校(東大工学部の前身)で、日本で最初の電気灯がともされた。

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燦 2007年2月号

省エネルギー月間特集

省エネの推進が不可欠に

□主な記事□
・インタビュー/省エネルギーセンター専務理事 河野修一氏
・省エネの実践事例/松下電工、共同総業
・東京電力/キッザニア東京に出展
・東北電力/東新潟火力4−2号系列が運開

築20年以上のビルを省エネ改修した共同総業のKYODO小石川ビル

 05年2月に京都議定書が発効したことにより、日本にとって08年から12年の5年間の平均で、90年に比べ温室効果ガスを6%削減することが緊急の課題となっている。
 しかし、現状はむしろ増加する傾向にあり、このままでは目標を達成できないのではないかという懸念もある。
 そのため、現在、経済産業省の産業構造審議会と環境省の中央環境審議会の合同会合で、京都議定書目標達成計画の見直しが行われているが、いずれにせよ、省エネの一層の推進が温暖化対策に不可欠であり、今後、その取り組みがますます重要になることは疑いのないところだ。
 そこで省エネルギー月間である2月に、改めて省エネの現状や課題などを探ることにした。

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燦 2007年1月号

新春対談

混迷するエネルギー情勢と日本の選択

□主な記事□
・中部電力など/音カメラ活用し防音効果を即座に予測
・東京電力/「地域とともに 原子力発電所の人たち-2-福島第一」
オール電化で全国最大規模/毛呂山町学校給食センター
・屋久島の魅力を語る/佐々木弘

日本のエネルギー政策について、活発な議論が繰り広げられた

 原油価格が依然として高値基調で推移する中、供給国が資源を国有化したり、国家管理を強めたりする動きが、世界各地で見られるようになっている。
 その一方で、世界のエネルギー需要はアジアを中心に急増しており、資源確保をめぐる競争は、今後、激化してくることが予想される。
 このように、世界のエネルギー情勢が混迷の様相を呈しつつある中で、日本はエネルギー安定確保と地球環境保全のために、どのような選択をしていくべきなのか。
 エネルギーや環境問題が専門の参議院議員の加納時男氏と、日本エネルギー経済研究所の専務理事・首席研究員の十市勉氏に話し合ってもらった。

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